第2話 箱膳
山本商店では初代より古いちゃぶ台を主力商品として販売していますが、そのルーツは、箱膳と呼ばれる蓋付の木箱でした。下に引き出しがついているものは上等で、一般的にはシンプルな立方体の箱が使われていました。蓋の上面には、ひと回り小さな溝が彫られており、蓋をした状態で、縦に幾つも積み重ねることが出来ます。家族がそれぞれ自分専用の箱膳を持ち、その中に茶碗や器、箸などを収納しておきます。食事の時に中の食器を取り出してから蓋をひっくり返して、(この時、ひと回り小さな溝が、木箱の下の縁に合わさりズレないようになる)蓋の裏面が角膳となるのです。先日久しぶりに箱膳を目にしました。引き出しが四つもついて、脚まで伸びた最上級の作りです。きっと家柄の良い高貴な家庭で、大切に使われていたのでしょう。箱膳がもし、話をすることが出来たなら、その長年にわたる生活環境を是非、聞いてみたいと思いました。
平成二十三年九月二十八日