第6話 山本商店 初代、山本仁作 其の参 周戦後すぐに古物商の営業鑑札を取得したそふは、古着を中心に商売を始めました。一般の人から最初に買ったのは、ニクロム線をまいた電気コンロ。なんでも店先に置いておけば買う人がいるという時代に救われたそうです。十年ほど古着を扱っていましたが、世の中が落ち着いてきて、モノが出回るようになってくると、古着の需要は下がる一方で、元々古い物が好きだった祖父は、「道具」に移行していきます。骨董というより現実に使える、いわゆる生活骨董に興味がありました。昔の職人は心を込めてつくったから狂いはないし、味がある。それに、無名の品ではあるけれど「オレの仕事」という誇りがどの道具からも感じられる、とは祖父から昔よく聞いた言葉です。その後祖父が先頭になって、世田谷の松陰神社で、古物商達を集めて、売り買いを現金の競りで行う市場を始めます。
平成二十三年十一月十六日